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【 毛髪診断士監修 】頭皮のカビがフケやかゆみ、臭いの原因に?カビが生えるメカニズムと対策方法

掲載日:2020.10.14 更新日:2022.08.31

頭皮に生えるカビがあるということをご存知でしょうか。フケや頭皮のかゆみ、臭いや湿疹の原因の1つとされ、悪化すると脂漏性皮膚炎という炎症を起こす場合もあります。
放っておくと増殖してしまうため、適切な対策が欠かせません。そこで今回は頭皮にカビが生えるメカニズムや、対策方法について解説します。

この記事の監修
日本毛髪科学協会 毛髪診断士

日本毛髪科学協会 毛髪診断士

北浦 優平 (きたうら ゆうへい)

2018年にアンファー株式会社商品開発課に中途社員として入社。
これまでの経歴としては美容師/美容商品の営業などを経験。
そんな経験を活かし入社後担当したブランドは
男性商品となる「スカルプDブランド」や新規ブランド「DISM」の立ち上げ、
また「スカルプD オーガニックブランド」を担当。
現在は女性商品となる「スカルプDボーテブランド」の商品開発を担当。

頭皮のカビとは?

フケは頭皮の古い角質が剥がれ落ちたもので、誰にでも発生します。普段は目に見えないほどのサイズですが、異常がある場合には目視できるほどのサイズになります。こうしたフケの原因の1つに、「フケ原因菌」というカビの一種があります

カビというと少し驚かれる方もいるかもしれません。この菌は常在菌で、頭皮や顔、胸、背中などに住んで皮脂を栄養としています。皮脂の分泌が増加するとこのカビも増殖して、菌そのものや菌が分解した物質が影響し、炎症を起こすと考えられております。

そうした頭皮環境の悪化が、フケやかゆみを誘発するという仕組みです。

頭皮のカビの発生メカニズム

頭皮のカビの発生メカニズム

頭皮のカビが発生する原因の例として、以下のようなものがあります。

  • バランスの悪い食生活
  • 睡眠不足
  • 外からの刺激
  • ストレス
など

バランスの悪い食事や偏った栄養、睡眠不足などは自律神経のバランスを崩す要因の1つです。自律神経のバランスが崩れることによって、皮膚の免疫力が下がり、その結果、真菌が増殖してしまいます。

また、外部からの刺激や誤った洗髪方法などによって、皮脂の過剰分泌に繋がってしまうことも。汗をかきやすい季節や洗い残しなどでもカビ原因菌が増殖するきっかけとなるため、頭皮環境に気を配る必要があります。

フケやかゆみがひどい場合は「脂漏性皮膚炎」の可能性も

頭皮の皮脂分泌量が多すぎる場合、炎症や湿疹を生じやすくなってしまいます。頭皮のカビが原因で発生する「脂漏性皮膚炎」について見ていきましょう。

脂漏性皮膚炎とは

頭皮や眉間、鼻の周辺など、皮脂の分泌が盛んな部位を脂漏部位と呼びます。この脂漏部位である頭皮のフケが多くなる、地肌が赤くなりかゆみなどの症状を伴うのが「脂漏性皮膚炎」です。

ただの乾燥症と思って放置していると、フケだまりができてしまうことで頭皮が厚くなり、発毛量が減少するなどのデメリットもあります。

フケやかゆみの他に頭皮に発疹ができる、皮膚が乾燥している、過剰に脂っぽい、かさぶたができているなどの症状がみられる際は脂漏性皮膚炎の可能性があるため、注意が必要です。成人している場合は慢性化することも多く、自然治癒は期待できません。医師の正しい判断を仰ぎましょう

脂漏性皮膚炎は一見して何の変哲もない皮膚炎のように見えますが、実はマラセチア菌というカビが大きく関わっています。

脂漏性皮膚炎の原因

頭皮の脂漏性皮膚炎の原因はホルモンバランスやビタミン不足、洗髪方法や遺伝などが挙げられますが、マラセチア菌というカビが主な要因として考えられています。

このカビは常在菌の1つで、皮脂を食べて生きているため、皮脂の分泌が増加するにつれて増殖するという特徴があります。この真菌は皮脂に含まれるトリグリセリドを分解して、遊離脂肪酸という物質に変える働きを持っており、この遊離脂肪酸が原因で脂漏性皮膚炎が発症すると言われています。

脂漏性皮膚炎は肝機能障害や睡眠不足、生活習慣の乱れ、加齢などで悪化すると指摘されており、さまざまなトラブルを引き起こしかねません。

脂漏性皮膚炎の治療法

初期の脂漏性皮膚炎の症状はかゆみや赤みなど軽度な場合もあるため、市販のクリームなどで対処しがちです。しかし、カビの増殖を抑える効果は期待できないため、気になることがあれば早めに医師の診察を受けましょう。

治療には主に抗真菌薬やステロイド外用薬が用いられます。ステロイドの場合、副作用を考慮する必要があるため、炎症が軽度であれば比較的副作用の少ない抗真菌薬のみが使用されます。また、頭皮の皮脂分泌量を正常に戻すため、ビタミンB2B6やビタミンCが処方される場合もあります。

頭皮のカビが気になる!日常生活でできる対策

頭皮のカビ対策

頭皮のカビに対して、日常生活でできる対策や予防方法には以下のようなものがあります。

  • 食事に気を付ける
  • 洗髪方法を変える
  • 紫外線を避ける
  • 睡眠をしっかりとる
など

食事に気を付ける

脂肪分が多い食べ物を摂取すると皮脂の分泌量が増加してしまいます。ファストフードやジャンクフードの食べすぎに注意しましょう。

また、ビタミンB群は脂質の代謝を促進し、頭皮に悪影響を及ぼす過酸化脂質を分解する作用があると言われています。レバーや海苔、干しシイタケなど、ビタミンB群が豊富に含まれている食品を積極的に摂ると効果的でしょう。

洗髪方法を変える

フケやかゆみを抑えるために強い力で洗髪してしまうとかえって逆効果になりかねません。皮脂を過剰に落として乾燥すると、逆に皮脂分泌が増加する可能性があります。洗髪時は力を入れすぎずに自分にあった洗浄力のシャンプーを使用しましょう。

予洗いであらかじめ汚れを落とし、指の腹で髪ではなく頭皮を洗うように泡立てます。シャンプーが残らないように念入りにすすぎ洗いを行うことが大切です。

洗い終えた後の乾燥にも注意しましょう。生乾きの状態は菌が増殖しやすいため、必ずドライヤーでまんべんなく乾かすことをおすすめします。

紫外線を避ける

顔や手足の紫外線対策と比較して、頭皮の対策は忘れがちです。紫外線は皮脂を酸化させるため、頭皮にダメージを与えてしまいます。乾燥や炎症によってかゆみを引き起こすだけでなく、髪の成長を阻害することも。

屋外での作業やレジャーなど、長時間外出する場合は帽子や日傘を活用しましょう。なるべく薄い色のものを選ぶとより効果的です。

睡眠をしっかりとる

睡眠時には成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーや新陳代謝に大きく影響します。そのため、寝不足や睡眠の質が悪くなると皮脂腺の働きが狂ってしまう可能性があります。質の良い睡眠がとれるよう、食事の時間やカフェインに気を付ける、お湯につかってリラックスするなど入眠環境を整えてみましょう。

頭皮のカビやフケを放置すると抜け毛に繋がる?

フケや皮脂が毛穴を塞いでしまうと、毛根に必要な栄養が行き渡りにくくなるため、髪の成長を阻害する可能性があります。また、頭皮環境の悪化で血行が悪くなるといったデメリットも。

そのため、頭皮のカビやフケを放置すると薄毛や抜け毛を引き起こしてしまう可能性があります。頭皮環境は髪の毛の成長に密接に関わる大切な部分。異常がみられる場合には、早めに改善することを心掛けましょう。

頭皮のカビや脂漏性皮膚炎は早めの対策が必要!

頭皮のカビが与える影響と、その対策方法についてご紹介しました。
皮脂の過剰分泌はフケや頭皮のかゆみだけでなく、髪の成長を阻害する可能性があります。
また、食事や洗髪方法など、生活習慣を変えるだけで予防・改善を見込むことができます。頭皮のカビが引き起こす脂漏性皮膚炎を予防するためにも、頭皮のサインに気を配り、もし異常を感じた場合は早めに医師の診断を受けましょう。

この記事の監修
日本毛髪科学協会 毛髪診断士

日本毛髪科学協会 毛髪診断士

北浦 優平 (きたうら ゆうへい)

2018年にアンファー株式会社商品開発課に中途社員として入社。
これまでの経歴としては美容師/美容商品の営業などを経験。
そんな経験を活かし入社後担当したブランドは
男性商品となる「スカルプDブランド」や新規ブランド「DISM」の立ち上げ、
また「スカルプD オーガニックブランド」を担当。
現在は女性商品となる「スカルプDボーテブランド」の商品開発を担当。

注目キーワード |
#頭皮 かゆみ でこぼこ #前髪 フケ #頭皮 カビ #ブリーチ フケ #妊娠 フケ

よくある質問

A.

薄毛のひとの頭皮の特徴として、皮脂腺が大きくなっていることが挙げられます。皮脂腺から分泌される皮脂が過剰に分泌されると毛孔に角栓を形成し、それが原因で毛根周囲に炎症が起こりやすくなります。したがって、頭皮の皮脂が多いことは抜け毛が増える原因のひとつと考えられます。

A.

紫外線は波長によって、UVA・UVB・UVCの3つに分類されます。このうち頭皮・肌に悪影響を与えるのは UVA・UVBの2種類です。紫外線は頭皮・肌に対して、シミ・シワや炎症を起こす原因と言われ、皮膚の乾燥や老化を促進させます。紫外線量が多い日は、通気性の良い帽子をかぶり紫外線から頭皮を守りましょう。

A.

フケは頭皮の角質細胞が剥がれ落ちたものです。ここに皮脂や汗などの分泌物が混じって、悪玉の細菌が繁殖しやすい環境をつくってしまいます。フケがたまるとカユミがでるのはそのためで、頭皮に炎症や腫れを引き起こす場合もあります。また、カユミから引っかいたりすると頭皮が傷つき、毛根部分の血行障害が起こりやすくなります。いずれにしても、フケがたまると頭皮が発毛しにくい環境になってしまいます。

A.

頭皮の血行を良くするには、マッサージが効果的です。血行が良くなれば、毛乳頭・毛母細胞への栄養補給がスムーズに行われます。マッサージをする場合、爪を立てずに指の腹で揉み込むように行います。頭全体を包み込むように押さえ、適度に力を入れたり抜いたりしながら約5分間ゆっくりとマッサージすると良いでしょう。

A.

主に表皮・真皮・皮下組織の3つに分かれています。毛髪とその3つの皮膚が接している部分を毛包といいます。その毛包の一番下に毛乳頭があり、その周りにある毛母細胞が細胞分裂をして毛髪がつくれられます。毛母細胞はケラチンという皮膚に存在するたんぱく質成分を取り込み毛幹をつくるので、皮膚の一部ともいえます。

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